日本茶(Green Tea)とは?種類・味の違い・楽しみ方で知る日本の茶文化

日本人にとってお茶は、ただの飲み物ではなく、昔から受け継がれてきた大切な文化のひとつです。
食事のときに楽しんだり、大切な人を迎えるときに心を込めてふるまったり。お茶には、日本人のていねいな暮らしや思いやりの気持ちが表れています。
いまでは、抹茶スイーツや緑茶ドリンクを通して、世界中でお茶の魅力が広まりました。 その一杯には、長い歴史と豊かな文化が息づいています。
この記事では、日本茶の基本やお茶文化の楽しみ方、そして世界で人気の抹茶についてご紹介します。

Contents

日本のお茶の歴史

日本のお茶の歴史は、1200年以上前に中国へ留学していた僧や遣唐使が日本に持ち帰ったのが始まりです。当時のお茶は、飲み物というよりは薬として使われており、飲めるのは一部の上流階級だけだったそうです。
その後、茶道の基礎を築いた千利休(せんのりきゅう)によって、お茶は「客人をもてなす文化」として発展しました。
日本茶の作り方が簡易的になったことで、次第に庶民にも広がり、今ではペットボトルや缶で気軽に楽しめるようになりました。
また、健康志向の高まりとともに、海外でも「Green Tea」として大人気に!抹茶ラテなど、日本茶をアレンジしたドリンクやスイーツも多くの人に親しまれています。
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日本のお茶の種類

日本で最も多く生産されるのは緑茶です。緑茶といっても、栽培や製造方法によって味や香りが大きく変わり、さまざまな種類があります。  

抹茶

抹茶は、日光を遮って育てた茶葉を蒸し、乾燥させて粉にしたもの。鮮やかな緑色が美しく、スイーツやラテなど甘いものとの相性も◎。 もともとは茶道で使われてきたお茶で、茶道とはお茶を通しておもてなしの心を大切にするにほんの伝統文化です。     

煎茶

煎茶は、茶葉を蒸してから揉みながら乾燥させたもので、うま味や渋みのバランスがよい爽やかな味わいが特徴です。お寿司屋さんで出されることが多く、日本ではコンビニやスーパーでも買える、日本で最も親しまれている緑茶です。    

玉露

玉露は、抹茶と同じように日光を遮って育てた茶葉から作られます。カフェインはやや多めですが、味わいはまろやかで、うま味と甘みが強いのが特徴。生産量が少なく、日本茶の中でも高級品として知られ、お土産やお祝いの贈り物としても人気です。  

ほうじ茶

ほうじ茶は、茶葉を強火で炒って香ばしさを引き出したお茶です。苦みや渋みが少なく、すっきりとした味わいが特徴。焙煎によってカフェインが少ないため、子供から大人まで、妊娠中の方にも飲みやすいお茶として親しまれています。
 

日本茶ができるまで

お茶の原料となるチャノキ(茶の木)は寒さに弱いため、温暖で雨の多い地域で栽培されています。
4月中旬から茶摘みの時期が始まり、8月頃までに3回ほど収穫されます。
最初に摘採される「一番茶」は縁起物として好まれ、香りも高く渋みの中に甘みがあるのが特徴です。
その後に収穫される「二番茶」や「三番茶」は、渋みが強く、主にペットボトル用の日本茶やほうじ茶として使われます。
収穫された茶葉は「蒸す」「乾燥」「焙煎」という工程を経て袋詰めされ、市場に出回ります。
茶葉づくりの工程に興味があれば、製造工場の見学に訪れるのも日本旅行の楽しみのひとつです。
 

日本茶の産地を旅しよう

日本茶の生産量トップ3は、静岡県鹿児島県三重県。これらの地域は「日本三大茶産地」と呼ばれています。
静岡県
古くから茶葉の栽培が盛んな静岡県には、地域ごとにさまざまなブランド茶があります。標高の高い山間地で栽培されるため、寒暖差が生み出す繊細な香りと深いうま味が静岡茶の特徴です。
鹿児島県
温暖な気候のもとで育つ鹿児島茶は、甘みと渋みのバランスが絶妙。栽培期間が長く、春の新茶から秋まで収穫が続くのも特徴です。
三重県
三重県で栽培されるお茶は「伊勢茶」と呼ばれ、かぶせ茶の生産量は全国一。かぶせ茶とは、煎茶と玉露の中間のようなお茶です。豊かな香りとまろやかな味わい、そして鮮やかな緑色が魅力です。
地域ごとに異なるお茶の香りや風味を味わいながら、茶畑や製茶の様子を間近で見学すれば、日本茶の奥深さをより感じられるはず。 茶摘み体験をしながら、採れたての新茶の香りに包まれる旅もおすすめです。
   

緑茶と抹茶の違いとは?

世界で親しまれている抹茶は、緑茶の一種。日本で日常的に飲まれているのは煎茶です。
同じ緑茶でも、抹茶と煎茶では見た目や味、楽しみ方が少し違います。その違いを見てみましょう。  
煎茶 抹茶
製造方法 茶葉を摘み取ったあとすぐに蒸して発酵を止め、揉みながら乾燥させたもの。 日光を遮って栽培した茶葉を蒸して揉まずに乾燥。茎や葉脈を取り除いたあと、茶臼で挽いて粉にしたもの。
さっぱりとした渋みと、ほのかな甘みのバランスが特徴 濃厚でクリーミーな旨味と、ほどよい苦味が特徴
色見 明るい黄緑色 鮮やかな濃い緑色
飲み方 急須に茶葉を入れ、お湯を注ぎ、数分間蒸らして飲む 茶碗に粉末を入れ、少量のお湯を加えて茶筅(ちゃせん)で泡立ててから飲む
 

日本茶のマナー!日本文化「茶道」を体験してみよう

茶道は、日本文化を代表する伝統文化のひとつ。
亭主が客人にお茶を振る舞い、道具の扱いや所作のひとつひとつに心を込めて行います。
 
お茶を味わうだけではなく、静かな雰囲気の中で、道具の美しさや季節のしつらえ、亭主の丁寧な動きなどを通して、自然や人との調和を大切にするのが茶道の魅力です。
茶道を体験すると、日本人が大切にしている「おもてなしの心」や落ち着いた所作の美しさを感じることができます。
マナーが多いように思えるかもしれませんが、初心者にもやさしく教えてもらえるので安心。
日本の伝統的な建物が残る観光地や和菓子店などでは、茶道体験ができるスポットもあります。日本文化に触れられる特別な体験として、海外からの旅行者にも人気です。
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日本茶から見えるおもてなし文化の背景

日本茶は収穫の時期や種類によって、味や風味が異なり、四季を通して飲み物としてだけではなく日本の暮らしに根付き、伝統文化として茶道が受け継がれてきました。
日本を訪れた際は、ぜひ日本茶を味わい、その一杯に込められた「おもてなしの心」を感じてみてください。
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About the Writer

Saya.Y

北海道在住、二児の母。小さいころから日本文化に夢中で、今でもお城を見るだけで幸せな気分に。忍者が登場する映画や時代劇は見逃せません!日本にはまだあまり知られていない、素敵な地域や面白い文化がたくさんあります。その日本の隠れた魅力を、わかりやすく、楽しくお届けします。

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