キリシタン文化が色濃く残る熊本・天草!歴史と自然、グルメを味わう特別な旅へ
熊本県天草は、美しい自然と温泉、新鮮な海の幸や農産物などに恵まれ、日本のキリシタン文化が今も色濃く残る特別な地です。大小120の島々からなる天草諸島では、四季折々の風景と旬の味覚を楽しめます。訪れたらぜひ立ち寄りたいのが「天草キリシタン館」。天草空港から車で約10分、天草のキリシタン史を150点ほどの資料によって紹介している資料館です。資料館は、春には桜が咲き誇る城山公園にあります。周辺は、1637年に起こった島原・天草一揆のおり、天草四郎率いる一揆勢が幕府軍と戦いを展開した場所です。今も息づくキリシタンの文化や歴史とともに、天草の自然、旬の味覚や工芸品など、天草の人々の暮らしを探求する旅はいかがでしょうか。
Contents
信仰を貫いた人々の物語。「潜伏キリシタン」の歴史
17〜19世紀、江戸幕府は厳しいキリシタン禁教政策を実施しましたが、弾圧の中でも密かに信仰を守り続けた人々がいました。彼らは「潜伏キリシタン」と呼ばれ、宣教師がいないなかで独自の形で信仰を受け継いでいきます。
神道や仏教と共存しながら、密かに祈りを捧げ続けた彼らの暮らしは、約250年もの長きにわたって続いたのです。
禁教の時代にもキリスト教の信仰を守り続けた「天草の﨑津集落」は、2018年に「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の一つとして世界文化遺産に登録されています。
奇跡のカリスマ、16歳のリーダー「天草四郎」
島原・天草一揆のおり、若干16歳で総大将となった天草四郎。一揆勢の結束の象徴として登場した四郎は、人々に「神の子」と崇められたカリスマ的存在でした。突如として世に出て、一揆勢のこころをひとつにまとめて命を散らした少年は、歴史に深く名を刻み、悲劇の主人公として伝えられています。
期間限定公開!歴史を感じる「天草四郎陣中旗」は必見
原城に籠城した一揆勢の象徴である「天草四郎陣中旗」は、1638年の総攻撃で幕府軍に奪われた戦利品。現在は国の重要文化財に指定されています。聖杯や十字架、天使などが描かれ、弾痕や血痕、刀槍の跡が残るその姿は、当時の激戦の様子を今に伝えています。館内では、この旗をはじめ島原・天草一揆に関する貴重な資料を展示。旗の公開は年4回、各7日間のみ。訪れる際は公式HPで公開日程を確認し、ぜひ実物をご覧ください。
桜の名所としても有名!城山公園で春の美を満喫
天草キリシタン館が建つ城山公園には、キリシタン墓地や平和を祈るキリスト像、島原・天草一揆のおり本渡での戦いで命を落とした人々の遺骨を納めた千人塚があります。春には約70本の桜が咲き誇り、3月下旬~4月上旬には花を楽しむ人々が訪れ、自然と歴史を体感できる場所として親しまれています。 About the Writer
Sayaka Yano
北海道在住、二児の母。小さいころから日本文化に夢中で、今でもお城を見るだけで幸せな気分に。忍者が登場する映画や時代劇は見逃せません!日本にはまだあまり知られていない、素敵な地域や面白い文化がたくさんあります。その日本の隠れた魅力を、わかりやすく、楽しくお届けします。
Manners to Follow
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館内写真撮影禁止